ギターライフを1か月やった人間によるレビュー

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ギターライフレッスン1というゲームの話です

ギター未経験の僕が株式会社HORIさんから発売されているGUITAR LIFE -LESSON1-(以下、ギターライフ)をプレイしてみた体験から、これから購入を検討している方に向けて参考になるようにいい点や気になる点をまとめようと思います。(執筆日:2024/07/01)

ギターライフ公式サイト
株式会社 HORI | NSW-509 GUITAR LIFE -LESSON1-

たった1か月だし、文字まみれでごめんなさい。

始めてから50日の間日記を付けていたので、どんな感じになったかとか、ぜひこちらも参考にしてくださいませ。

はじめに

このゲームでどのくらい上達するのか?という個人的な推測・目安

1日1~2時間の練習時間を確保・継続できる環境がある人なら、1か月くらいでバレーコード(押さえる時に指の形がヤバいやつ)などの難しいものが入ってない曲ならそれっぽく弾けるようになりそうだと思います。(ただしこの短期間では原曲通りのテンポや正確性にはならないということは留意ください)

実際に本物のギターに移行した際には、3日程度慣れるための期間を挟んでギターライフの練習の成果を発揮できるようになりました。
なので、ミュートという弾かない弦に触れて音を出さないようにする技術など、ギターライフでは練習できないことに慣れる必要はありますがギターライフから始めたことによる変なクセや弊害は特に感じませんでした。
押さえたコードに合わせて弾かない弦は自動でミュートされてることを2か月経ってこれを書いてる今知りました。

ギターライフでギターを始めるのに向いていると思われる人の特徴

  • 【重要】ほぼ毎日ニンテンドースイッチを起動してゲームをする人
  • 【重要】時間がある人
  • 【重要】右利き
  • どちらかといえばエレキギターよりアコギで弾き語りしたい人
  • 役立ちそうな情報を自分で調べることに抵抗がない人
  • 家であまり大きな音を出せないし、出せる場所に出かけたくもない人
  • 同居している家族など、一緒にシェアできる人数が多い人(得なので)

メリット・デメリット

ギターライフならではの良いと思った点

手軽すぎる・コントローラーが軽い!

ギターを続けるコツとして、手の届く範囲にギターを置いて弾きたいときにすぐ手に取れる環境にしておけという言葉をよく聞きます。(実際のエレキギターは割と重かったしアコギはかさばるらしいので持ち運び大変です。)
スイッチでほぼ毎日ゲームをする人にとって、手に取る機会はスイッチを起動するたび与えられます。

本物より静か!

賃貸に暮らしている人などは、楽器の練習にあたって近所との騒音トラブルを考えなければなりません。
ギターライフはヘッドホンなどで音を聴くようにすれば大きな音は出ません。ギロ(楽器)みたいなギコギコした音はそこそこ出ますが、本物の弦楽器よりだいぶ静かなのは明らかです。

ギター練習できる時間帯が夜中しか確保できないという方にはうれしいですね。

コード(和音)を押さえる繰り返し練習に特化している!

コードを暗記したり押さえられるようになったりコードをスムーズに切り替えられるようになるには、最終的に数をこなして慣れるしかありませんでした。
そもそも、初心者の段階では何度もコードを弾くのを繰り返すことしかできる練習がありません。
その意味で言うと、コードを押さえる訓練を周回できるのは始めたての人にとって効率的であるといえるでしょう。
僕は単調な作業みたいに練習するのに抵抗が少ない人間だったので相性が良かったのかもしれません。

楽器のメンテナンスをしなくてよい→維持費がかからない

ギターってチューニングをして正しい音階を弾けるようにしなければいけないし、弦を交換しなければいけなかったり、こだわれば保管にも気を配らなければならないんですよ。
当然部品の買い替えにもお金がかかりますし、メンテナンスする為の時間も掛かります。エレキギターをデジタル録音するために15000円の機材も買いました。
ミスって弦をバーストさせたことがある僕は、チューニングに対する恐怖を植え付けられました。

それらをすべてすっ飛ばしてベストコンディションの安定した音が出せるのはゲームならでは。

ゲームやってる感があまりない(個人の感想)

デイリーミッションをこなすように惰性でゲームしていた時間をいくつかギターライフに置き換えたことにより、これまでよりも時間を浪費していたことに対する後悔のような虚無感が軽減しました。
思ったよりもリズムゲームではなく「練習」といった感じで、もはや運動と言っていいくらい指や手首や脳を使うのでハードです。

音楽をやるのはやっぱり精神衛生上で好影響なイメージがあります。

【体験談】少し弾ける状態から本物ギターを始めるの、めっちゃ楽しい

僕はギターライフを開始した約2週間後に1万のエレキギターセットを購入したのですが、通販で家に届いて開封してチューニングをして、いざ適当に曲のコードを調べてさあ弾くぞ!となった時に

「あれ……?初めてなのになんかちょっと弾けるぞ……?」

と奇妙な感覚になったのを覚えています。ギターライフを16日やっていたのに、本物のギターは初めて弾くということがかみ合わないというか。
このくらいギター弾けるなら遊びには困らないしギターが置物になる心配はなさそうだなと安心感が得られました。

ギターライフで始める際の懸念点

【重要】左利きに対応してない

現状、レフティーの方々に対応していません。(2024/7/01執筆時点)

今後上下反転とかアップデートで対応するかもしれませんがご注意ください。コントローラーのボディの形が右利きしか考慮されてなそうなのも難しい点。

ちなみに、軽く調べたところ左利きが右利きギターをするとコードを押さえる技術ではアドバンテージですがストロークが利き手ではない分、コードを覚えて以降の成長に難があるらしいです。

ニンテンドースイッチを元々持っていないと初期費用が掛かる

僕はスイッチユーザーだったのでソフトの購入のみで始めることができましたが、ゲーム機本体から揃えるとなると

本体:メーカー希望小売価格:32,978円(税込)もしくは 有機ELモデル:37,980円(税込)
+ギターライフの12,980円(税込)という
もはや上等なギター買える金額になってしまいます!なんと!(2024/07/01当時の価格)

まあスイッチには他にも素晴らしいゲームたちがあるので、お子さんに最初のゲームとして買ってあげて、これを機に他のソフトも買って遊ぶとかだったら全然アリだと思います。
ただ、スイッチをギターライフ専用機にするのは正直勿体もったいないと言わざるを得ません。

知ってる曲で(長期間)練習できない

ギターライフには楽曲演奏というコーナーがあり、収録された曲に合わせて弾くことができる練習の成果を試す場所があるのですが、そもそも原曲のテンポでコードを間に合うように押さえたりコードを変えたりするには練度が必要なので少なくとも2週間は掛かるのではないかと僕は思っており、楽曲に合わせて練習できる(練習できてる感じになる)までかかる時間が長いです。
そもそも、難度設定が高い(と思った)ものしかないので楽曲演奏機能は使いこなせませんでした。

そのため僕は最初の1か月のうち7割は名も無きレッスン用の曲に合わせてコードを弾いていました……。
味気ない練習ばかりだとモチベーションが維持できないのでネックだと思います。

ただしこの問題は、フリー演奏機能を使って検索した曲のコードをゆっくり自分のペースで弾くなどして工夫できます。
(こうなるならギターライフではなく普通のギターでやったほうがいいってなるのですが……)

ノウハウをゲーム内で紹介されない

ゲーム内でコードを押さえるときの指の形だったり親指の位置だったり、コードチェンジするときのコツだったりと初心者が知りたいことの解説や悩みの解決方法はゲーム内で全く説明がされません。
これはギターという悩みのバリエーションも解決方法も膨大にあるコンテンツにおいて、ゲーム内でそれを多方面に向けてカバーするのは無理があるのだということが察せられるため、開発陣には強く文句は言えません。

なので、レッスンに行き詰った際には自分で悩みの解決方法をゲーム外で探さなければいけません。
僕はコードの押さえ方のコツやコードチェンジ練習の動画を見て、フリー演奏で練習する時間を設けました。ありがとう萩原悠先生。
買ってしばらく経つとレッスンですることがなくなってくるので練習時間におけるフリー演奏の比率が増えました。

ギターの講座動画をあげてくれている萩原悠先生のYouTubeチャンネルのリンク
https://www.youtube.com/@hagiwaraU-Tube

5フレットしかない(自由度の制限)

5フレットしかないので、当たり前ですが5フレット内の音階しか使えません。
前奏とか原曲通りに弾けないのばかりです。
コード弾きばかり繰り返しているとさすがに飽きてきて他の遊びや練習を探すのですが、5フレットしかないので何もできないというか5フレット内で完結するような練習がいくら探しても見つかりませんでした。

この抑圧されたマンネリ環境に嫌気が差し、僕はエレキギターを注文するに至りました。

どうしても最終的に同じ練習内容の繰り返しになってしまう

僕は1週間かけてゲーム内で扱うコード(レッスン)を全部見ました。
しかし、そこから先は新しいレッスンはなく、今までのコードをひたすら繰り返して精度を高める訓練の時間に……。
実際のギターやっていてもそうなるっちゃあそうなると言えなくはないけれど、楽曲練習の難度を加味すると楽しく練習するためにはプレイヤー自身で相当工夫を凝らす必要がある。
ギターライフは1週間を超えたあたりから続くかどうかの勝負が始まります。

僕は耐え切れずエレキギターを買って、パワーコードという別バリエーションを練習するという逃げ道を使いました。

ギターコントローラーの接触・故障について

実際のギターは異常があっても直感的で原因がわかりやすそうなものですが、電子機器のコントローラーは押さえてその反応で対応した音を出しているためコントローラーの初期不良や異常があっても気が付きにくそうだと思いました。

コードを押さえられてないの自分のせいじゃなくてコントローラーが反応してないんじゃないか?と疑心暗鬼になりましたが、実際は僕が下手なだけでした。

最初からギター買えば良くない?【元も子もない】

禁句。音楽性では本物の下位互換でしかありません。
最終的に本物のギターを弾くためにやるものだし、どうせ買うのに……。みたいに思うのもわかる。

住んでいる場所でギターの音が出せる人なら、最初から本物のギターを買ったほうが良い人の方が多いと思います。


よくありそうな質問を自分で考えて自分で答える

  • Q.自由演奏で曲って弾ける?
    →ある程度のコードを弾けますが、5フレットしかないので制限があります。カポ(キー変更)機能がアップデートで追加されてからだいぶマシになりました。
  • Q.ギターライフ買ってからあとに本物のギター買ってしまったらギターライフやらなくならない?
    →はい。あまりやらなくなりました。ですがたまに夜になって衝動的に起動したり、数日おきに今どれくらいできるようになってるかな……と現在の実力を測る役割を与えてます。
  • Q.指で弾ける?
    →弾けなくはないけど弾いた判定出すのが大変なのでピックのほうが快適。
     ちなみに指弾きするとめちゃくちゃ静かにプレイできます。傷もつきにくい。
  • Q.弾きたい曲が収録されてないので買うか迷ってるのですが……。
    →僕は収録曲は調べずに買ったし、楽曲に合わせて弾く楽しみ方はあんまりやる機会がなかった。
     ギターライフは弾きたい曲のためにコードを覚えるのではなく、ひたすらコードを練習して、覚えたコードを使って闘うみたいなコンセプトだと思いました。
  • Q.挫折しやすそう?
    →挫折の定義を「生活の中で一切ギターに触らなくなってしまう」とするなら、個人的には実際のギターと挫折しやすさは同じくらいな気がします。
    ただ、段階を踏んだレッスンによって定められた道筋が示されており、一通りレッスンを見るまではほとんどの人が到達できると思われるので、基本のコード(15個くらい)を覚えるぐらいまで最低ラインが保証されるイメージ。
    普通にギター買って独学でやったらコードを5個ぐらい挑戦して辞めちゃうとかありそう。
  • Q.子供向けだと思う?
    →好きそうでもあるし、逆に急に飽きてしまって仕方なく始めてみた親の方がハマりそうでもある。
  • Q.出先とかに持っていける?
    →外形寸法:(幅)約625mm×(奥行)約270mm×(高さ)約64mm 質量:約775g ※公式サイトからの情報
     持ち運びはそこまで大変ではないし、本物のギターよりは軽くて小さいので入れ物とか用意できたら持っていけそうです。コントローラーが無線なのも楽。

まとめ

ギターライフでギターを始めるのに適している条件

  • スイッチでほぼ毎日ゲームしてる時間をちょっとギター練習に割ける人に適性がある
  • どちらかというとエレキギターよりアコースティックギターで弾き語りしたい人向けのレッスン内容
  • 楽器のメンテナンスが難しそうでやってられない人

購入にあたっての注意(アドバイス)

  • 左利きに未対応(2024/7/01執筆時点)
  • 音を出して弾ける環境のある人はいきなり普通のギター買っても良さそう
  • コード弾きしか練習できない内容です
  • 楽曲に合わせて楽しく弾けるゲームではなかった(初心者のスキルではムリ)
  • コツやノウハウはゲーム内で教えてくれないので疑問は自分で調べる必要あり
  • 想像よりも単調な練習が続くので「修行する」と割り切ってもいいかもしれない

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