ネタバレあります!
注意
超探偵事件簿レインコードをクリアしていない人にとって、体験を損なう恐れがある内容を含んでおります。
クリア済みの方に限った閲覧を推奨します。
ラーメン屋の店主についての考察
ラーメン屋の店主についての簡潔な説明
プロローグ終了時にアマテラスの列車から降りてきた小柄な人物であり、レインコートのフードを深くかぶって行動していたため4章でやっと顔が判明、5章で正体が明かされることとなりました。
彼は料理が得意で、その特技を生かしホムンクルスでも活動のエネルギー源とすることのできるラーメンを開発し、カナイ区の食文化の核を作り上げる存在となっていました。
見習い探偵となっているためか、本編で超探偵能力を使用しているシーンは描かれてはいません。
しかし、僕は彼が超探偵能力を使えるようになっていたのではないかと思っています。
ラーメン屋店主の超探偵能力
結論から申し上げますと、彼の超探偵能力は「再生」です。
この能力は、自身の肉体が損壊した部位をもう一度復元再生できるのです。
分かりやすく言うと、ドラゴボのピッコロやセルのアレです。
ここまでで、察しの良い方は今後僕の言いたいことがお分かりになったと思います。
カナイ区民ことホムンクルスは人肉を捕食しようとする特性があります。
彼のラーメンはそんなホムンクルスのニーズにこたえています。
ラーメン屋は鶏ガラじゃなくて人柄が大事なんて言いますけど、
まさか本当の人ガラとはたまげましたね……。
そういうことです。
証明
ここまでだと単なるこじつけじゃないかと考える方も少なくないと思いますので、何点か理由を挙げて説の信ぴょう性を主張したいと思います。
理由① ダブルミーニング
彼の超探偵能力が「再生」である理由の一つとして、エピローグのテーマであるカナイ区の「再生」とのダブルミーニングであることが挙げられます。
彼が再生を使う前には、多くの自身の体の一部が失われてきました。
ユーマたちも、カナイ区再生の前には多くの大切なものを失ってきました。
理由② 長ズボン
彼はエピローグで、足が直接見えない長ズボンを穿いています。
料理人にとって手は命。よって、足の部分を食材にしていることがここでうかがえます。
人前に出て接客をする職業柄、腕などの露出する部位は使えないでしょう。
理由③ ナンバーワンからの信頼
ナンバーワンは聡明な人物であるため、探偵見習いである彼がこれから自身が行おうとしている作戦における重要なピースであることを見抜いていました。
カナイ区最大の謎をすべて解決したとて、カナイ区の食糧問題は依然として課題として残り続けます。
そんな時、ナンバーワンは死神の書を持ち歩いていた時に彼と出会いました。
結果的に彼がカナイ区に侵入してラーメンが生み出されたように、
そこまで見越した上で、まだ見習いの存在であった彼を入れ替わり対象に指名したのです。
事件の収束までの流れは偶然ではなかったということです。
理由④ 保安局の監視
彼は4章始めのころにはもうカナイ区民の舌に合うラーメンを完成させていました。
この時点では死体も保安局にすぐ回収される体制がとられており、彼も独り身でカナイ区に乗り込んできた身のため、食材として人肉を仕入れるルートがほとんどないと言える環境です。
(彼が自ら人肉を作っていなければ、の話ですが……。)
その状態で人肉を手に入れるルート、それは彼自身の足を使用するほかありません。
理由⑤ アナグラム
最後に、アナグラムで締めたいと思います。
ラーメン屋の店主をローマ字表記で「RAMEN YANO TENSYU」とします。
それを並び替えると「SUNNY EAT ANYMORE」、
すなわち「もう”晴れ”は食べることはない」となり、なんとこの物語の重要な要素である、ホムンクルスが日光で狂暴化してカナイ区を壊滅させてしまった「空白の一週間事件」を乗り越えたことを表すような文章が完成してしまいました。
だからなんだという話ですが、何やら意味深ですよね。
Q.E.D.(証明完了)
最後に
いかがでしたか。
ここまで文章を読んでいただいて、ラーメン屋の店主が超探偵能力を有していることが理解できたでしょうか。
「エピローグでなんか急に活躍した人」で済ませてはいけない存在でしたね。
こんなことも考えて話を組み立てるシナリオライターという職って凄いと思いました。