冬は股引きを恥ずかしげなく装備しています。まめも!です。
皆さんはこまめにコンロ周りの掃除、していますか?
僕はズボラで、しかもトップバリュのプライベートブランド食品をおいしく感じることができる能力と引き換えに怠惰の女神と30年間の契約をしているので、なかなかできていません。
先日の話ですが、夜にトイレに行きたくなり目が覚めて、薄明かりの中キッチンの前を通りすがった時、ガスコンロの五徳近くに2センチくらいの半球状の真っ黒い虫を発見しました。
夜中なので声を出すことは何とかこらえましたが、内心では買い物の際に財布からクレジットカードを見つけるのに手こずった時くらい焦っていました。
真夜中に虫と対面した時、得てして人間は判断力と身体能力にデバフがかかるものです。
ひとまず逃げるようにトイレに入り、用を済ませてから再びコンロへ様子を見に行きました。
虫は深い闇のような色をしており、火で焦げているのではないかと思うほど黒く見えました。
そしてまったく動く気配がありません。なんというか生命が感じられないのです。
この時点で死んではいるなと何となく思いました。
キッチンペーパーで今すぐ処理しようかとも考えましたが、さっきトイレをした際に手を洗っていたので、また虫をペーパー越しに触って手を洗う羽目になるのは億劫だな……などという気持ちもあり、翌日、明るくなってから処理しようという決断をしました。
虫が家に出て、それを野放しにしているときに入る寝床ほど精神が削られる場所はありません。
目に入っていないだけで虫は何匹も家にはいるのでしょうが、可視化されることで嫌な想像をかき立ててきます。
気にしながら眠りに落ちたせいか、風呂から出ようとしたらドアにでかい芋虫がくっついていて全裸で膠着状態に陥るという最悪な夢を見ました。
朝。天気も良く屋内にも自然光が満ち溢れた状態で、虫を処理するには最適な環境です。
僕はキッチンペーパーを片手にコンロに向かいました。
五徳のそばには虫ではなく、料理中にこぼしたと思われる直径2センチの甜麺醤がべっとりとこびり付いていました。
凝った調味料を持つのも考え物ですな。
(2023/11/14)